2015年8月2日日曜日

バブル時代 夜の歓楽街編

 今日は、羽振りの良いおんちゃんが飲みに連れて行ってくれると言う。
この時、10代後半だったが私は16の時にはもう飲み屋にツケがある状態だった。未成年だからどうのこうのと言う時代ではなかった。又、タバコも吸わないようではギャル(女子)にもてないような時代だ。
おじさんが実家までハイヤーで迎えに来てくれた。中心街につくと万札(1万円札)を渡し、「おつりはえいで」とおじさん。しぶい!!
おつりは6千円位あっただろう。と言うか先輩も私も後輩を誘って行く場合は飲み代も全部出すのが当たり前の時代だった。タクシーのおつりに関してはバブル崩壊後もクセが抜けず、まず5000円札をあらかじめ用意しておいて2000円位の料金の時は5000円を出して「おつりはえいで」と段階的にリハビリしていった。完治するまでに5年の歳月を要した。

おじさんについて行くとやはり1件目からクラブだ。バブル時代お決まりのブランデーやシャンペンを飲んだ。圧巻なのは盛り上がってきたらおじさんが手持ちのバックを開けて中の一万円札をホステスにつかみ取りさせる事だ。もちろんチップで店中の女の人が集まってくる。ルールは簡単で片手でいくらつかめるかだ。新札なので掴みにくく今までの最高は70万円位との事だ。うーん・・・なんともうらやましい。。。

みんな次々と掴んで行く。一体、いくら入っているんだ!!「僕にもやらしてください・・」と言えばやらしてくれるのだろうがこの時代男は「武士は食わねど高ようじ」だ。
おじさんがトイレへ行った隙に勝手につかみ取りをしよう。私の中の悪魔が囁く。。。
おじさんがおもむろに立ち上がった。。。トイレだ・・・バックは・・・バック・・・バックはしっかり持っている。チャックまで閉めていると言う念のいれようだ。。。。成金はいっいっいい・・・嫌だ!!

 何時間か過ぎた頃、おじさんは私に「用があるのでこれでどっかで遊んできいや・・」と5万円を渡した。店の女子とどかかへ行くようだ。その時、私が想像したのは・・たぶん女の子と二人っきりで将棋でも指しに行くのだろう・・・どちらにしろさすがは成金、男の中の男だ!!一生、この人物についていこうと心に決めた。

それからおじさんを見かけたのは10年位たった頃の木枯らしの吹く寒い時だった。見る影もない。かっての栄光は想像する事はできない・・・以前にビジネスに失敗し、都会で夜逃げしたらしい・・と言う事は聞いていた。。。私は見つからないように看板のかげへ隠れたのは言うまでもない・・・
人生は難しいものである。 完。



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