2015年8月10日月曜日

バブル時代 ナンパ 歩き編

 現代ではあたって砕けろ精神でナンパを慣行した場合98%の確立で不審者として事情聴取をうけるだろう。

これはバブル時代、ナンパに生きた熱い男達の物語である。

16歳、どんな事にも興味を持ちチャレンジ精神旺盛な青春時代真っ只中の年頃。

 私の他に乙と丙が集まった昼下がり情報源豊かな乙が言った。「帯屋町でナンパ出来るらしい今度、行ってみん?」私も丙も学術的な検地に照らし合わせても否定する材料を持ち合わせていなかった。

 次の日曜日、国鉄の駅に3人が集結した。汽車で市内まで行き帯屋町と言う商店街を往復してこれと思うギャルに声をかける計画だ。

まず一声が大事だ。乙によると「チャ(茶)でもしばかん?」と言うのが正当な声のかけ方だと言う主張を信じてそれに決まった。帯屋町は結構長く、歩くと一回30分かかる。又、よくよく見るとナンパ目的と思われるライバルが結構な数、往復している。3人の緊張は半端ではない。今、思えばロボットのような歩き方になっていたようだ。

 朝、10時頃到着して2時間位たっただろうか。まだ一人にも声をかけれない。なぜか?いろいろな難解な数式を算出してみた結果。勇気が足らないと言う結論に達した。誰が声をかけるか・・・丙が言った「オ、オ、俺が行く」、丙の風貌は坊主頭に自家製で紫に染めたYシャツと言うコーディネートを施している。ソリも一応、入れている事だし。。丙に頼もう。

 丙がターゲットにしたのはよりによって綺麗なワンレグのお姉さんだった。丙が一気にお姉さんに接近した。右足と同時に右手も同時に出ている。丙「あのーすいません・・」お姉さん「・・・・」丙「チャでもしばかん?」一瞬の緊張感の後、お姉さんが鬼のように笑い「ボク いくつ?」丙「今度16」お姉さん「今度ね」失敗だ。今考えると仕事中のOLで30歳近くだっただろう。若さ=無謀=アホの二乗である。

その後、3人で話あった結果、なんでも良いので声をかけてみようと言う事になりジャガイモみたいな女子にも声をかけた。ナンパと言うよりスポーツだ。足はガクガクでもう歩けない。全く相手にされない。3人は映画の広告スクリーンの前でガックリ肩を落として座っていた。

そこへ女の子が来て私に「あの人誰?」とスクリーンを指差し話しかけて来た。映画等、全く興味ない私は「知らん」と言った。少しの間、女の子もそこにいたが去っていった。私は「知らんぞにゃ」と乙と丙に言うと二人とも「知らんにゃ」と同意した。今、思えば最大のチャンスだった。。。。逆ナンパと言う言葉があるのを知るにはそれから長い時間を要するのであった。

完。


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