2015年7月19日日曜日

嗚呼~ 哀愁のL型物語3話

嗚呼~ 哀愁のL型物語3話

アンディの店へ到着した。
決戦の日だ。人生最後の日かもしれない。お互い助け合う。現在で言う集団的自衛権だ。
まず番犬のパトラッシュに餌をやりクリヤー。
ラッキーな事に奥さんは不在のようだ。
これも神のご慈悲か。
アンディは空手家だが計算には弱い。
「こんにちは!!」「こんにちは!!」「こんにちは!!」
緊張のあまり連呼してしまった。
計算には弱いアンディだが耳は良いようでギリシャ彫刻のような肉体を揺らし奥から出て来た。

すかさず「ターボを探しています。にゃいですか?」噛んでしまった。
緊張した私に対してアンディはあっさり「あるよ」と言った。
アンディが工場の奥から出した来た物はTO4B L型キットだ!!
もちろん中古だが使えそうだ。
すかさずAが言った。「いくらですか?」
アンディはスキンヘッドに近い角刈りの風貌には似つかわしくもない満面の笑顔で天高く3本の指を突き出した。
おー300円?いやそんなはずはない3000円か?
しかし3000円ですか?と言って3万円だったら殴られるだろう。
ここは一発、ギャグをかましてご機嫌を伺おう。
「30ドルですか?」アンディの顔から笑顔が急激に引いて行くのがわかった。まずいか?
アンディが重い口を開いた「うちは円しかだめぞ」ジョーダンが通じない。すかさず「円で言ったらいくらです?」
アンディの笑顔がもどり次に出て来た言葉が「指3本やきい3万よやー」
3万円と言えば当時、聖徳太子が3枚分と言う大金である。
3人の手持ちを合わせても3千円弱しかなかった。Bが言った。
「お母さんに借りて来る」大ボラ吹きのBの成長には目をみはるものがある。
Bはそのまま戻って来なかった。つづく。




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